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今野友陽 Tomoaki Konno

ザリガニとその共生生物の不思議を探る旅

北海道在住しがない大学院生のホームページです

​​訪問ありがとうございます。どうぞゆっくりしていってください。

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News

​​第71回日本生態学会にて、進化・数理部門のポスター優秀賞をいただきました。

​​Mar. 22, 2024

筆頭論文が出版されました。外来種であるウチダザリガニから絶滅危惧種の在来ヒルミミズが発見されたことを報告しています。

Feb. 26, 2024

共著論文が出版されました。日本産ヒルミミズ3種についての分類学的再検討です。

Feb. 1, 2024

​​日本甲殻類学会第61回大会で優秀ポスター発表賞をいただきました。

Oct. 15, 2023

Home: News
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My Profile​

現在の所属

北海道大学 大学院環境科学院 生物圏科学専攻 動物生態学コース 

小泉研究室(HP) 博士課程2年

Email:tomoaki.konno(at)outlook.jp

または tomoaki.konno(at)ees.hokudai.ac.jp

略歴

1997年4月 静岡県富士市生まれ

2016年4月 静岡大学理学部地球科学科 入学

​2020年3月 静岡大学理学部地球科学科 卒業

2020年4月 北海道大学 大学院環境科学院 修士課程 入学

2022年3月 北海道大学 大学院環境科学院 修士課程 修了

2022年4月 北海道大学 大学院環境科学院 博士後期課程 入学


生い立ち


生まれ 1997年4月 静岡県富士市

幼少期より生き物と触れあう

トンボを捕まえるのに絶対的な自信を持ち始める

近くの川でアメリカザリガニをひたすらとって遊んだ

小3から高3までサッカー少年(ただし下手)

サッカー見るのが好き アーセナルがアツい 愛してる

高校まで静岡県富士市

富士山が北にないと方向が分からない

大学は静岡大学理学部 研究室は塚越研究室

大学でカメラを始める 愛機はPENTAX K-1 

日本平動物園の年パスを買って毎日通った

学部では貝形虫について研究をする

大学の裏の池でアメリカザリガニを沢山とって食べた

大学院から北海道大学環境科学院 小泉研究室へ​​​​

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​研究 RESEARCH​

Home: Research
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ヒルミミズ 

生涯ザリガニLOVE生物

​​“愛すべきニョロニョロ”

ヒルミミズとは環形動物の仲間で、その名の通りヒルのようなミミズのような生き物です(ヒルと姉妹群)。主に北半球のザリガニ類に共生し、たまにカニやエビから発見されます。世界から約150種が記載されており、日本では11種の固有種が存在します。日本ではニホンザリガニ一種のみに特異的に共生しており、単一種の宿主にこれだけ多くの種が特異的に共生する系は世界でも類を見ません。環境省レッドリストでは宿主のニホンザリガニに準じる評価がなされており、絶滅危惧Ⅱ類に指定されています。

ヒルミミズは記載的な研究がメインにされており、生態学的な研究が少なく、まだ多くのことが謎に包まれている魅力的な生物です。そんなヒルミミズを興味の赴くままに様々なことを明らかにしたいと思い、まさに【ヒルミミズの自然史】をメインテーマに研究をしています。


研究テーマ①

「日本産ヒルミミズ類とニホンザリガニの共進化の歴史」

感覚的に、共生者は宿主と同じ歴史をたどり、進化的な背景を共有することで共種分化し、宿主の系統と共生者の系統は一致するように思えます(ファーレンホルツの法則)。しかし、多くの場合でこれにピッタリとはあてはまらないようです。ヒルミミズとニホンザリガニについても同様に、ザリガニの系統とヒルミミズの種の関係、分布範囲は一致せず、表面上は共進化してこなかったように思えます。果たして彼らは同じ歴史をたどり共に進化してきたのか、謎のままです。


研究②

「野外での外来宿主と在来宿主間でのヒルミミズの移動」

日本には外来種であるシグナルザリガニ(a.k.a.ウチダザリガニ)が生息しています。この外来種ザリガニは日本に連れてこられた当初は鳴りを潜めていましたが、最近北海道をはじめとしたあちこちで大量に見られるようになり、つぎつぎにニホンザリガニの住処を奪っていきました。かつてニホンザリガニが豊富に生息していた北海道の湖沼は今やほとんどがシグナルザリガニに侵されてしまいました。

シグナルザリガニにもヒルミミズが共生しており、多くの侵入地で共生者も確認されています。そんな外来種ザリガニと在来種ザリガニの間ではヒルミミズの交換や移動は起こっているのでしょうか。

​これに関する論文はこちら


その他多数のテーマ進行中

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Entocytherid貝形虫

いつでもザリガニと一緒

​​“二億年もザリガニとともに旅をしてきました”

貝形虫とは体長1㎜にも満たないものがほとんどで大型のものでも約1㎝の比較的小型の甲殻類です。左右に二枚の殻を持ち二枚貝に似ていることからそう呼ばれています。海、川、湖から水たまりまで水環境なら大体どこにでも生息しています。また、ほかの生物の体表に共生するものも存在し、その最たる例として主にザリガニ類に共生するEntocytheridaeという科に属する種群が挙げられます。Entocytherid貝形虫は世界から約220種が記載されており,そのほとんどが北アメリカとオーストラリアというザリガニ類の多様性の高い地域から見つかっています。ザリガニ類の先祖は二億年以上前の世界中の大陸が一つになり超大陸パンゲアが形成されていた時期に一度だけ淡水侵入しそれ以降繁栄したと考えられています。パンゲア解体以後北アメリカとオーストラリアは一度も陸続きになっていないため、Entocytherid貝形虫の歴史も二億年以上のスケールだと考えられます。ヨーロッパや東アジアにもザリガニは生息していますが、この貝形虫の仲間は見つかっていません。パンゲアにルーツがあるのであればザリガニの生息するユーラシア大陸にいてもおかしくはありませんが、生息していないのは不思議です。

近年の人為的な生物の移動により、本来の生息地ではない地域で様々な生物が見られるようになりました。これらの生物は外来種と呼ばれ、各地ではその対応に追われています。人の手によって運び込まれたとき、その生物に共生生物がついていれば当然その生物も宿主とともに持ち込まれることになります。ザリガニと貝形虫でもこれは報告されています。日本には2種の外来ザリガニが生息しますがその2種ともEntocytherid貝形虫の宿主であり、日本の多くの生息地でこの共生生物は見つかっています。海外では持ち込まれた貝形虫が在来種のザリガニにくっついている(寄生虫波及:Spilover)ことが報告されています。

そこで私は日本でもこのような現象が起こっていないか調べました。ニホンザリガニと外来ザリガニが同所的に生息する場所は知られていないため、在来のモクズガニとアメリカザリガニが共存する場所で共生生物が在来種に波及していないかを観察しました。すると、モクズガニからアメリカザリガニに共生する貝形虫が発見され、幼体から生体までの様々な成長段階の個体が発見されたため、モクズガニに対して貝形虫の波及が起こっていることを明らかになりました。論文はこちらです。在来宿主と外来の共生生物は、ふつうの宿主共生生物関係では共有している進化的な歴史(例えば免疫系の共進化など)を共有していないため、どのような悪影響があるかは未知数です。これからの時代、外来種対策や生物の保全のためにはこの辺もうまく評価していく必要があります。

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ザリガニ

淡水環境の長重鎮

​​“かわいくてかっこよくて最高”

最高です。世界には600種を超えるザリガニが生息しているといわれます。その7割以上が北アメリカに、約2割がオセアニアに、ごく一部が南アメリカやマダガスカル、ユーラシア大陸に生息しています。日本にはニホンザリガニ1種が生息し、北海道と東北地方の北部でひっそりと暮らしています。ニホンザリガニはアジアザリガニ科に含まれ、このアジアザリガニ科は北半球のザリガニ類の中で最も古い系統であることが最近の研究で支持されています。北半球のザリガニと南半球のザリガニが分岐したのが、ローラシア大陸とゴンドワナ大陸に分かれた時だと仮定すると2億年から1.5億年前なのでアジアザリガニ科はそれと同スケールの歴史を持つことが考えられます。つまり、淡水環境では超重鎮、ニホンザリガニが歩いてきたら止まって道を譲らなければなりません。​

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コブハサミムシ

海より深い母の愛情

​​“オスにみられるハサミの多型現象。それぞれの形の役割を解き明かす。”

ハサミムシは何となく嫌いな人が多そうな不遇な昆虫です。「ハサミムシ」とググると検索予測に「ハサミムシ 駆除」や「ハサミムシ 侵入経路」と出てくる嫌われっぷりです。しかし、そんな彼らもよくみると素敵なはさみを持っているカッコイイ虫であり、多くの面白い生態をもつ研究対象としてもクールな生物なのです。

ハサミムシの一種であり日本に生息するコブハサミムシは、“母親が自分の体を子供に食べさせる”といういわば究極の子育てをするむしとして有名になりました。初春のまだ餌の少ない時期(天敵も少ない)に産卵・孵化し自分の体を最初の餌として与えることで子供の生存率を上げるためこの行動が進化したと考えられています。

このようにコブハサミムシのメスはとっても素敵なわけですが、オスも負けじとクールです。コブハサミムシのオスのハサミには二型があり、短く太い方がアルマン型、細く長い方がルイス型と呼ばれています。私はなぜこのような違うタイプのハサミを持つ個体が生まれてくるのか、それぞれのハサミが持つ役割に注目して調べています。

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Publications

Home: Publications

​論文​

4. Konno, T., Tanaka, K. & Koizumi, I. (2024). Host shift to non-native species or ecological dead end? Endangered branchiobdellidans (Annelida: Clitellata) found on introduced crayfish in Japan. Knowledge and Management of Aquatic Ecosystems. 425, 5. https://doi.org/10.1051/kmae/2024002 査読あり 


3. Ohtaka, A., Konno, T. & Gelder, S.R. (2024). Taxonomic Revision of Cirrodrilus makinoi (Annelida: Clitellata: Branchiobdellida) with a Redescription of C. homodontus. Species Diversity, 29, 43-51. https://doi.org/10.12782/specdiv.29.43 査読あり 


2. Ohtaka, A., Konno, T., Koizumi, I. & Gelder, S.R. (2023). Distribution of ectosymbiotic species of Cirrodrilus (Annelida, Clitellata, Branchiobdellida) in northern Japan, with notes on their taxonomy. Zoosymposia, 23, 21-34. 10.11646/ZOOSYMPOSIA.23.1.6 査読あり 

1. Konno, T. & Tsukagoshi, A. (2022). Crayfish co-introduced symbiotic ostracod found on native crab in Japan: The first record of epibiont ostracod found a new host. Parasitology International, 86, 102475. https://doi.org/10.1016/j.parint.2021.102475 査読あり

​学会発表​

12. 今野友陽・大高明史・Stuart R. Gelder・小泉逸郎「ニホンザリガニと共生ヒルミミズ類の共進化史:遺伝子で紐解く500万年の歴史」『第71回日本生態学会』横浜国立大学,2024年3月(ポスター) ポスター優秀賞(進化・数理部門)


11. 賈イ・田中一典・今野友陽・小泉逸郎「都市近郊域におけるニホンザリガニの局所絶滅規模および絶滅要因の抽出」『第71回日本生態学会』横浜国立大学,2024年3月(ポスター)


10. Wei Jia・Kazunori Tanaka・Tomoaki Konno・Itsuro Koizumi「Impact of land use on the presence/absence of endangered Japanese Crayfish (Cambariodes japonicus) and estimation of the best model with land-use predictors」『日本甲殻類学会第61回大会』東京海洋大学,2023年10月(ポスター)


9. 今野友陽・小泉逸郎「ニホンザリガニの個体群健全性は共生者の種多様性に関与するか」『日本甲殻類学会第61回大会』東京海洋大学,2023年10月(ポスター) 優秀ポスター発表賞


8. 今野友陽・大高明史・小泉逸郎「日本産ヒルミミズ類の系統地理: 遺伝子から宿主ニホンザリガニとの共進化史を読み解く」『静岡ライフサイエンスシンポジウム』静岡大学,2023年3月(ポスター)


7. Akifumi Ohtaka・Tomoaki Konno・Itsuro Koizumi・Stuart R. Gelder「Reassessment of the geographical distribution of indigenous branchiobdellidans (Annelida, Clitellata) ectosymbiotic on Japanese crayfish」『15th International Symposium on Aquatic Oligochaeta』Brussels, September 20, 2022 (Oral)


6. Tomoaki Konno・Akifumi Ohtaka・Stuart R. Gelder・Itsuro Koizumi「The discrepancy between host crayfish phylogeny and

ectosymbiotic branchiobdellidan distribution in Japan;

insights into historical co-dispersal from a molecular phylogeny perspective」『15th International Symposium on Aquatic Oligochaeta』Brussels, September 20, 2022 (Oral)


5. 今野友陽・小泉逸郎「宿主と寄生虫の系統樹が一致しないのは何故か:DNAから共分散史を読み解く」『第69回日本生態学会』オンライン,2022年3月(ポスター)​​


4. 今野友陽・小泉逸郎「太く短く?細く長く?コブハサミムシの尾鋏二型の出現機構と適応的意義」『2021年度日本生態学会北海道地区大会』オンライン, 2021年12月(口頭)


3. 今野友陽「ザリガニに居候する不思議な生物ヒルミミズ」『日本陸水学会若手の会2021 (自由集会)』オンライン, 2021年9 月(口頭)

2. 今野友陽・塚越哲「外来共生貝形虫が移入先で新たな宿主を獲得:アメリカザリガニからモクズガニへの波及」『2021年日本ベントス学会・日本プランクトン学会合同大会』オンライン,2021年9月(ポスター)

1. 今野友陽・小泉逸郎「健康な宿主個体群は寄生虫の多様性も高いのか:ニホンザリガニとヒルミミズでの検証」『第68回日本生態学会』オンライン,2021年3月(口頭)​​

​​アウトリーチ

​​2.「カルチャーナイトin西岡公園」ザリガニ類・共生生物の観察指導・説明 主催:西岡公園等指定管理者(公財)札幌市公園緑地化協会 2022年7月22日


​​1.「親子で柿田川サマーサイエンスハイスクール」水生生物の調査・観察指導 主催:柿田川生態系研究会 2019年7月31日

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